経木の使い方

経木包み

経木とは

経木(きょうぎ)とは、紙のように薄く削った木の板のことです。松、杉、檜(ひのき)、椹(さわら)などが原材料として用いられます。

薄くてよくしなり、吸水性があります。そのため、古くから折り箱の材料や食品の包材として利用されてきました。

また、木には天然の殺菌抗菌成分が含まれています。その点でも食品包装に適していると言えます。

脱プラスチック素材として

ラップやポリ袋と比較すると利便性は劣ります。強い力を掛けると折れたり裂けたりします。密封もできません。

その一方で、プラスチックゴミにならない、燃やしても有害なガスが出ない、土に埋めれば簡単に自然に還る等の利点もあります。

そのため、近年では環境に負荷の低い「脱プラスチック素材」として再評価される動きもあります。

弁当作りに

おかずを冷ます皿に敷く

弁当用のおかずを皿に取って冷ます時、その皿の上に敷く。

経木が余分な水分を吸う。経木がすのこの様に機能して蒸気を逃がす為おかずの下面が水分でふやけにくい。

おかずの仕切り

適当な大きさに切り、おかずカップや葉蘭代わりに使う。味移り防止。おかずの水分や油分をある程度吸い取る。

弁当箱の底に敷く

ご飯やおかずの湿気を吸う。ベタ付かないので美味しさが保てる。水分により弁当が傷むのを抑える。

弁当シートとして

詰め終わった弁当の上にふわりと被せてから弁当箱の蓋をする。食材から出る蒸気を吸収。弁当箱の内側が結露するのを防止。

経木包みのお弁当

おにぎり・おむすびと簡単なおかず程度であれば経木だけで包むことが出来る。弁当箱を洗う必要が無い。

包み方

経木1枚で心許ないようなら、2枚を組み合わせて使う。2枚ずらして包む、十字型に組み合わせて包むなどするとよい。

経木だけでは弁当の匂いが外に漏れるという場合は、経木の上からラップで包む。

経木包みに向いた弁当作り

おにぎりの表面を何かで包んでおくと経木に米粒がくっつきにくい。例)海苔、とろろ昆布、野沢菜漬け、薄焼き卵

おかずは水分が出にくく、強い匂いが出ず、散らばりにくい以下の様な物がお勧め。

  • 肉や魚の唐揚げ、肉団子、魚の西京焼き、塩鮭
  • ゆで卵、厚焼き卵
  • 果物(小さい温州蜜柑程度ならそのまま、リンゴなどは適切な大きさに切ってラップに包む)
  • 漬け物、プチトマト、ブロッコリーやカリフラワーの塩ゆで

調理に

揚げ物

揚げ物の油切り。揚げ物を温め直す時に下に敷いて油を吸わせる。

蒸し物

色々な食材を蒸す時の敷き紙に。オーブンペーパーなどよりもよく水を吸う。

焼売や餃子、肉まん等

経木を敷いて蒸すと、外側の皮がひっつかない。破れにくい。

ご飯の温め

冷や飯を大きな容器で蒸して温める時に。ただし、ご飯に木の香りが移るので、その香りが好きでない場合にはお勧めではない。

製菓

蒸し饅頭の底紙に。蒸しケーキを作る型の底に敷く。

蒸し焼き

色々な食材を包んでオーブンやフライパンで蒸し焼きにする。ただし汁が沢山出る食材には不向き。

茹で物

細長くてばらけやすい素材を茹でる時、経木を細く裂いたもので軽く縛っておく。茹で上がったら外す。

あまりきつく縛らないこと。きつく縛られた部分に熱が入りにくくなる。また、引っ張りすぎると経木が千切れる。

盛りつけ

出来上がった料理を乗せる皿に敷く。皿の汚れ防止。残った骨などを経木ごと捨てられる。例)焼き魚、肉、揚げ物、刺身等

トーストを載せる皿に敷いておくと、蒸気を経木が逃がすのでパンが水滴でベタ付かない。

まな板シート代わり

まな板の上に経木を敷き、その上で食材を切る。ボウルなどに移す時はその経木をごと移動。肉、魚、油気の強い食材の汚れからまな板を守る。

表面が油っぽい/ソースがたっぷり付いた料理の切り分け時に。例)揚げたトンカツ、照り焼きチキン、厚焼き卵等。

肉や魚を大量に捌く時にも。汚れが酷くなったら取り替える。例)釣った魚、まとめ買い、貰い物など。

使い捨てまな板に

反古紙を折りたたんである程度の厚みを持たせ、その上に適当な大きさに切った経木を敷く。

まな板を出すまでもない、ちょっとした食材の切り分けに。(小型の果物や菓子など)

食材・料理の保存に

冷蔵

食材を経木で巻く

使いかけの食材を経木でぐるっと巻く。その上でラップで包んだりポリ袋に入れたりして冷蔵保存する。

水分を経木が吸収するため直接ラップやポリ袋で包むより長持ちする。例)根菜、生姜

保存容器の下に敷く

調理済みの食材を容器で保存する時、容器の下に敷く。例)刻みネギ、千切りキャベツ、茹で野菜、お浸し

使いかけの食材を容器で保存する時、容器の下に敷く。例)カイワレ・ベビーリーフ・クレソン・ミニトマト(ヘタは取る方が良い)、キノコ類

汁や臭い、油気の出やすい食品保存に

鮮魚や生肉を保存する時に使う。まるごと包む、保存容器の下に敷くなど。

練り物や油揚げの保存に。油を吸う。油抜き後の油揚げの水分・油分を吸う。

冷凍・解凍

肉や魚を冷凍・解凍する時に下に敷いたり間に挟んだりする。汁を吸収して生臭さ防止。

塊で買ったパンを切り分けて冷凍する時に。1枚ごとに間に挟む。パン同士がくっつきにくくなり、取り出しが楽。

常温・持ち帰り

ご飯の保存

保存容器に少し湿らせた経木を敷いてからご飯を入れる。容器の汚れ防止。蒸気を逃がしてご飯の美味しさを保つ。玄米ご飯の保存にも。

持ち帰り食品

料理や食材の持ち帰りに。経木で包んだり、持ち帰り容器の下に敷く。例)菓子、生肉や鮮魚、たこ焼き等の屋台販売

菓子の保存

手作りの焼き菓子等の保存容器の底に敷く。余分な油を吸い取る。例)クッキー、パウンドケーキ

その他調理関連

焼き肉やバーベキュー、鍋物

加熱前の食材を盛る皿の上に敷いておく。水分吸収、匂い移り防止。

シュウマイやギョウザ作り

生のシュウマイや餃子を置く皿やバットの下に経木を敷く。皮が皿にくっつかず破けない。余分に作り置いて冷蔵保存する際にも。

煮物の落とし蓋

特に肉や魚の煮物にお勧め。

木製品の落とし蓋や、アルミなどに比べて後始末が楽。経木の香りが食材に移る場合があるので、繊細な香りを生かす料理には使わない方が良い。

煮物の鍋底に敷く

煮魚など、鍋から取り出す際に崩れ易い食材を煮る時に、予め鍋の底に敷いておく。

上の方まで経木を余らせておき、引き上げる時はその経木の端を持って引き上げる。ガスレンジの場合は火が移らないように注意。

手作り食品

自家製納豆や、ちまき作りに。

その他便利な使い方

  • 冷蔵庫の汚れ防止に。野菜室の底や冷蔵室の棚に敷く。
  • 外で物を食べるときの皿代わり。例:ピクニック、バーベキュー
  • 縦に細く裂いて紐代わりに。あまり強くはないので、仮留め程度の用途向き。
  • 使い捨てコースター作り。経木を適当な大きさに揃えて切り、木目を互い違いに重ねて周囲をマスキングテープ等で留める。グラスの結露を吸収できる。
  • 菓子等をお裾分けする時に包装紙として使う。
  • メモ用紙代わりに。鉛筆よりは、マジックペンのような物が書きやすい。

経木の保管法

決まった保管方法はありませんが、衛生面には十分に注意します。

予め切っておく

適当な大きさに切り、清潔なジッパー袋に入れて保管。使用する分だけ取り出して使う。

切り分ける大きさは自分の使いやすいサイズで良い。食品保存などには1/3程度に切っておくと使い良いことが多い。

長いまま保管

長いまま、箱等に立てて台所の邪魔にならない所に保管。使う都度必要なサイズに切る。

2024年4月10日改訂(2021年6月初出)

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