せっけんの方が洗浄剤としてすぐれているという実験は、たくさんあります。しかし中には、合成洗剤メーカーの息のかかっている婦人グループが、合成洗剤の方がやっぱり良かったというような実験をして、その結果をメーカーが国会議員に配布したりしている例もあります。大体メーカーの実験室を利用してやっているような実験ですし、やっぱり白さを強調しています。使っている合成洗剤は、ブルーチャイムで、せっけんの方は大メーカーのものがほとんどです。ブルーチャイムというのは、コマーシャルで見ていると、洗たく液の色が変わったら洗剤を追加しろというしろものです。
粉せっけんで洗たくしている人は、洗たく器の中のせっけん液が、よごれでドロドロになってくることを知っています。そんなところにせっけんを追加したって、ドブの水を汲んできて洗たくするようなもので、まったく無意味です。ところが、ブルーチャイムは色が変わったら洗剤を追加しろといっているのですから、あきらかに汚れを落す力は皆無であって、ただ白く染めているだけということを白状しているわけです。
洗たく用の合成洗剤は、原料も助剤もほとんど同じで、それぞれあまり差はありません。しかしせっけんは、原料の油脂の割合で、ずい分性質が変わります。牛脂の多いものは、どうしても使いにくくなります。せっけんこそ、大メーカーのものではなく、自分で気に入ったブランドを使うべきです。
※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。