せっけんの悪口をいう人の中に、においがいやだという人がいます。合成洗剤のあのいやらしい合成香料のにおいにならされてしまった人たちです。それに粉せっけんのにおいをかいでみて、そのにおいが衣服に残ると思う錯覚もあります。
合成洗剤のあのいやなにおいは、いくらすすいでも衣服に残ります。白さとかおりという宣伝からもあきらかです。せっけんで洗たくして日光で干した衣服には、何のにおいも残りません。においのないことをくさいと思うのは、青白く螢光増白剤で染められていないと清潔でないと思うのと通じているように思います。
香料の入っていない固形せっけんのにおいを「ああ、なつかしいにおい」という人たちがたくさんいます。合成洗剤や、化粧・浴用せっけんのにおいの元である合成香料で、アレルギーをおこす人があります。香料が少ないほど安全なのです。
かつて「暮しの手帖」で化粧せっけんのパッチ・テストをしていましたが、いわゆる高級品(フランス直輸入の何千円もするようなもの)ほど悪いという結果がでていました。
高級な化粧せっけんは、よく贈答品に使われますので、もらって困ることがありますが、安くて安全な第一種固形せっけんを使うようにしましょう。赤ちゃんの浴用、洗顔、洗髪、ひげそり、毛糸洗い、食器洗いなど何にでも使えて重宝です。
※このコーナーでは、石川貞二さんの文章をそのまま掲載しています。当「石鹸百科」とは異なる見解が含まれていることがあります。