シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、お風呂で使う化粧石鹸、歯磨き剤など人間の体を洗うためのものは、薬機法(旧:薬事法)という法律で規制されていて、厚生労働省が管轄しています。
「全成分」を探そう
これらの製品には、原料となったすべての成分名がパッケージや製品のどこかに記されています。これは、2001年4月の薬事法(現:薬機法)の改正によりメーカー側に義務付けられたものです。このときに表示義務から外れていた医薬部外品も、2006年の薬事法改正で全成分表示が義務とされました。
旧「表示指定成分」とは?
2001年の改正以前は「表示指定成分」だけに表示義務がありました。表示指定成分とは、アレルギーなどの皮膚障害を起こす恐れのある成分102種類に香料をプラスした、103種の成分のことです。
石鹸にもいろいろある
浴用の固形石鹸(化粧石鹸)には、石鹸素地だけでできている純石鹸(無添加石鹸)もあれば、 さまざまな添加物が含まれているものもあります。その添加物も、ハーブエキスやビタミンEのようにほとんど問題ないものから、エデト酸塩(金属封鎖剤)やジブチルヒドロキシトルエン(変質防止剤)のような、人体への安全性に疑問符が付くようなものまで、さまざまです。
確実に「石鹸」を選びたければ…
JISマークのついている石鹸は、純石鹸分93%以上なので確実に石鹸と判断できます。
一方、見た目は石鹸のようでも 合成界面活性剤が主成分で、石鹸とはいえないようなものもあります。そのような製品を避けたければ、「石ケン素地」(注1)とはっきり書いてあり、それ以外の成分がなるべく少ない製品を選ぶとよいでしょう。
注1 化粧石鹸の場合は家庭用品と違って、「脂肪酸ナトリウム」ではなく「石ケン素地」と表示されます。
石鹸っぽい「合成洗剤」について
一見すると固形石鹸のような身体洗浄用の合成洗剤があります。アメリカで多く見られるタイプの製品ですが、最近は日本でも増えてきました。
合成界面活性剤だけを洗浄成分にしたものはsyndet bar(合成化粧石鹸)、 石鹸と合成界面活性剤を組み合わせたものはcombination bar またはcombo bar(複合化粧石鹸) と呼ばれます。
このような製品に使用されている合成界面活性剤は、アシルイセチオン酸塩、N-アシル-L-グルタミン酸塩、トリエタノールアミン塩、N-アシルメチルタウリン塩などです。
「自分で確かめる」が大事
家庭用品と違って、身体用の洗浄料は「石鹸か合成洗剤か」という書き方での区別が製品に記載されません。ですから自分の目で「石鹸」を表す成分名を確かめて、納得してから購入するようにしましょう。