石鹸素地の加工方法による分類
鹸化塩析法または中和法で得られたニートソープ(石鹸素地)は、乾燥・配合・成形という工程を経て、固形石鹸という製品になります。ニートソープを固形石鹸に成型する方法は「枠練り法」「機械練り法」の2種類に大きく分けられます。
枠練り法
- ニートソープ(石鹸素地)に香料、色素、助剤などを加える。無添加石鹸の場合は何も加えない
- 大きな枠の中に流し込み、長時間かけて冷やし固める
- 十分に冷えて固まったら製品の大きさに切断して自然乾燥させる
- 型打ち(注1)して製品とする。型打ちをせず、ピアノ線で切断したままの状態で販売することもある
注1 型打ち: 型に入れて圧力をかけるなどして石鹸の見た目を整える工程
枠練り石鹸の特徴
枠練り石鹸は長時間かけてゆっくり冷却するため、石鹸分子が大きな結晶になります。そのためふやけにくく溶け崩れしにくい石鹸ができます。
水分を多く含むため、保存しているうちにその水分が失われて石鹸が変形することがあります。
機械練り法
- ニートソープを機械でチップ状またはペレット状に細断し、乾燥する
- 十分に乾燥したら、香料、色素、助剤などを加える。無添加石鹸の場合は何も加えない
- ロールでよく練り混ぜ、機械で棒状に押し出し、それを切断・型打ちして製品とする
機械練り石鹸の特徴
機械練りでは、作業を効率化するために急速冷却・急速乾燥を行います。十分に乾燥できるため水の含有率が少なく、機械の強い力で練り合わせる間に石鹸の粒子が揃って見た目がきれいな石鹸ができます。
しかし、枠練りとは逆に、水によってふやけたり溶け崩れたりしやすい傾向があります。
2022年5月改訂