水質汚濁とは何か?
水質汚濁とは、きれいな水に異物が混じって、本来の状態から変化することを言います。 水質汚濁を大きく分けると、次の4つに分けられます。
台所排水や洗濯排水などの生活雑排水は、水質汚濁を起こす原因の一つです。水質汚濁について良く知って、生活の仕方を見直すことは大切です。
有機汚濁
食べ物や動植物の死骸などの有機物によって水環境が汚れることです。このような有機物は、流れ込む量が少なければ、水中の微生物によって分解されてしまいます(自浄作用)が、分解される量よりも流れ込む量が多ければ、汚濁がどんどん進んで、分解し切れなかった有機物はヘドロとなって堆積していきます。有機物が分解されるときに酸素を消費するので、有機物の量が多いと水中の酸素がなくなって、無酸素状態になります。
有害物質による汚染
有害物質とは、水域の生物に微量でも悪影響を与える物質のことです。重金属、PCB、ダイオキシン類、農薬など、主に産業排水から流れ込むものもありますが、生活雑排水の中にも、水生生物に悪影響を与える界面活性剤や助剤が含まれています。
富栄養化
植物プランクトンの養分となる栄養塩類(窒素、リン、カリウム)が増えることです。窒素やリンが急速に増えると植物性プランクトンが急速に増えて生態系のバランスを崩してしまいます。その結果、動植物の死骸などの有機物が増え、有機汚濁を引き起こすことにもなります。
合成洗剤と富栄養化については、別項の解説を参照してください。→合成洗剤と富栄養化
無機懸濁物質による汚濁
土砂などの無機物によって水が濁ることです。土砂などの無機物は酸素消費も起こさず、生物に有害ではありませんが、水が濁るので見た目が汚くなります。合成洗剤の助剤に使われるゼオライトは、このような無機懸濁物質の一つといえます。