石鹸の洗浄力をきちんと発揮させるのには、ほんの少しコツがいります。中でも大事なのは「泡立てること」。
石鹸は、「泡立たないと洗浄力がない」と覚えておいてくださいね。「泡立ち」にさえ気をつけていれば、洗濯でも台所でもお風呂でも、石鹸を失敗なく使うことができます。
注意するのは3つのポイント。
以下に「泡立ちが悪い=洗浄力がない」原因や、それによって起きること、対策などを、石鹸の性質とあわせてまとめてみました。石鹸生活において、この3つだけは、いつも忘れないでいてくださいね。
目次
ポイント1:石鹸の量が足りないと泡立ちません
最初から泡がない場合
最初から泡がないのは、そもそもの石鹸の量が足りないケースがほとんど。水の量に対して石鹸が少なすぎると、泡は立ちません。
また、石鹸をいくらたくさん使っていても、しっかり溶けていなければ、足りていないのと同じです。
- 対策
-
石鹸を完全に溶かし、しっかりと泡立てます。
洗濯ならば、洗濯物を入れる前に低水位の水で石鹸をしっかり撹拌する。食器洗いならば、石鹸と水を付けたスポンジをよく揉む。シャンプーならば、髪に石鹸とお湯を付けて、頭皮をマッサージするように揉む。
それでも泡立たなければ石鹸の量が不足ですから、石鹸を足します。
洗っている途中で泡が消えた場合
最初はよく泡立ったのに洗っているうちに泡が消えたなら、汚れに対して石鹸の量が足りていないということです。泡が消える、というのは洗浄力が落ちた合図です。
- 対策
-
泡が消えたら石鹸を足してみましょう。洗濯の場合、粉石鹸をそのまま洗濯槽に振り入れると溶け残ることが多いので、追加分には液体石鹸を使うと楽でしょう。粉石鹸を使うなら、あらかじめ洗面器などでよく溶かしておきます。
泡がたちにくい場合
水の性質によって、泡立ちにくいケースがあります。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が多い(硬度が高い)水の場合は、石鹸が汚れより先にミネラル成分と反応します。すると、石鹸は洗う力を失ってしまいます。
- 対策
-
この場合は、ミネラルと反応する分を見込んで、最初から少し多めの石鹸を使います。ただ、日本の水道水にはそれほど大量のミネラル分は入っていないのが一般的なので、通常それほど心配する必要はありません。
ポイント2:酸性のもので洗浄力が低下
石鹸はアルカリ性なので、酸性のものと出会うと中和されます。すると泡が消え、洗う力がガクンと下がります。
- 対策
-
これは食器洗いでよく起こる問題です。皿に付く汚れには酸のきついものが多いからです(しょうゆや酢、果汁、マヨネーズ、ケチャップなど)。食器や調理用具についたこのような汚れは、あらかじめ拭き取ったり水で流したりしてから石鹸を使いましょう。
衣類に付いた「皮脂」も酸性ですが、この程度の酸なら炭酸塩のようなアルカリ助剤入り石鹸を使えば大丈夫。特に予洗いする必要はありません。
ポイント3: ためすすぎはNG(洗濯をのぞく)
ためすすぎは、石鹸を沢山の水で薄めるのと同じことです。泡(=洗浄力のサイン)が消えるまで水で薄まると、石鹸は汚れを掴まえるパワーを失います。すると、石鹸に捕まっていた汚れがまた水中に出てきて周りのものを汚します。
- 対策
-
食器でも身体でも髪の毛でも、石鹸で洗ったときは「流しすすぎ」がお約束。ためすすぎだと、石鹸分が水で薄まることで汚れを包み込むパワーが消え → 水中に汚れが放り出され → 食器や髪の毛などにふたたび汚れが戻る…ということがおきます。これを「再汚染」といいます。
ただ洗濯の場合は、ずっと流しすすぎでは使う水の量が多くなりすぎます。まずはすすぎの前によく脱水して、石鹸液と一緒に汚れを絞り出します。そのあとで必要なだけためすすぎをすると、水の使用量が少なくて済みます。