石鹸は20℃以上で水に溶ける
米ぬかや廃食油、ヤシ油等の石鹸は比較的低温(20℃程度)で水に溶け洗浄力を発揮します。水温がそれ以下だと良く溶けず、洗浄力も下がります。
夏場は水道水でも20℃以上ある事が多いのでそのまま洗濯に使えます。水の冷たい時期はお風呂の残り湯や、給湯器のお湯を利用して洗濯に適した水温にします。
※参照→「洗い・すすぎは水温に気をつけて」
40℃以上で力を発揮する石鹸がある
牛脂や豚脂、パーム油主体の石鹸の場合は40℃以上の水温が必要です。
何故お湯が必要?
これらの石鹸に含まれる脂肪酸の半分近くは「ステアリン酸」「パルミチン酸」です。これらの脂肪酸は40℃以上のお湯でないと溶けません。
その代わり、適切な水温で正しく使えば非常に強い洗浄力を示します。油や泥などで酷く汚れた物の洗濯や、煮洗いに最適です。
このような性質の石鹸を冷水で無理に使うと洗浄力が下がるばかりか、溶け残った石鹸が黄ばみや臭いの原因となります。
パーム油の石鹸について
植物油から出来た石鹸は溶け易く使い易いというイメージがあります。
しかし、パーム油の脂肪酸組成は動物の脂に似ています。従って、牛脂、豚脂と同じく40℃以上のお湯で使用して下さい。
※参照→「主な油脂の脂肪酸組成」
そもそも洗濯はお湯で行う方が良い
大抵の汚れはある程度温めると緩んで落としやすくなります。
特に皮脂汚れは、体温以上の温度で軟化し繊維から取り除き易くなります。逆に言えば、それ以下の温度だと落ちにくいという事です。
これは石鹸に限らず、どの様な洗剤を使った場合でも同じです。汚れ落ちが悪いと感じたら、合成洗剤でも水温を上げてみましょう。
2020年2月改訂(2009年11月初出)