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プラスチック容器がベタ付きやすい理由
分子構造に共通点のある物同士は馴染み易い傾向にあります。プラスチックは原油から作られるため、食用油と疎水性(そすいせい/水を嫌う性質)という点で似ています。
その為にプラスチック容器は油と馴染みが良く、ベタ付きやすいのです。
効果的な洗い方
洗う前に油汚れを出来るだけ取り除く
油汚れの量が多い時は汚れに直ぐに水を掛けず、重曹やおがくず等を振り掛けて油を吸わせます。その後にぼろ布などで重曹やおがくずごと汚れを拭い取ります。
重曹やおがくずを拭い取る時は強く擦りすぎない様に気をつけましょう。いずれも研磨効果がある為、プラスチックを傷つける恐れがあります。
アルカリスプレーを吹きかける
セスキ炭酸ソーダ等のアルカリ剤は、油を乳化して洗い流し易くする作用があります。
アルカリの水溶液をスプレーに入れ、汚れに吹きかけて拭い取ってから石鹸で洗います。拭い取らなくても、スプレーしないよりはスッキリと洗えます。
既製品のアルカリスプレーを利用しても良いですし、セスキ炭酸ソーダや炭酸ソーダ(炭酸塩)で手作りも出来ます。
◆アルカリスプレーの作り方◆
水500mlにアルカリ剤をよく溶かしてスプレー容器に入れておく。アルカリ剤使用量の目安は、セスキ炭酸ソーダなら小さじ1、炭酸ソーダなら小さじ半分。
重曹はアルカリスプレーには不向き
重曹は水に溶けにくく、溶け残った粒子がスプレーノズルを詰まらせる事があります。また、アルカリ性もそれほど強くない為油を乳化する作用も弱めです。
重曹しか手元に無い場合は、水に入れて煮溶かすと良いでしょう。熱が加わると重曹は炭酸ソーダに変化するためアルカリ性が強くなり、水にもよく溶ける様になります。
洗浄力の強い石鹸を使う
炭酸ソーダ(炭酸塩)入り粉石鹸や、ケイ酸塩入りの固形石鹸は洗浄力が高く、油汚れにも強い傾向にあります。また、研磨剤入りの石鹸も油汚れには効果的です。
ただ、これらの石鹸は洗浄力が強い分、手の皮脂もよく落とします。手荒れし易い方はゴム手袋をする、作業後にハンドクリームを塗る等の手入れをして下さい。
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使う
細かい部分まで全体的にベタ付いている時は、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で浸け置きすると手間要らずです。
- 40℃以上のお湯2Lにつき大さじ1の過炭酸ナトリウムを振り入れる。
- プラスチック容器を液に沈める。全体が液によく浸る様に、必要ならば上から重しをするなど工夫する。
- 30分~1時間程度放置し、その後引き上げてよく濯ぐ。
金属部品・金彩には要注意
金属部品が付いている・金属で模様が描かれているといったプラスチック容器にはこの方法を使わないで下さい。
過炭酸ナトリウムは金属と反応する性質があります。その為、金属部分が変色したり、模様が剥がれたりする恐れがあります。
ただし、ステンレスは例外です。部品や金彩がステンレスだと分かっている時は、過炭酸ナトリウムが使えます。