無水エタノールと消毒用エタノールの違い

無水エタノールと消毒用エタノールの違いは、エタノール「濃度」の違いです。

無水エタノール

濃度99%以上。純度が高いためすぐに蒸発する。水拭きができない電子機器の掃除や、溶剤として使われる。

殺菌消毒用途には適していない。必要な箇所に塗布されても、成分の殆どが殺菌消毒作用を発揮する前に蒸発してしまうため。また、肌への刺激も強い。

消毒用エタノール

濃度80%前後。器物や人体の殺菌消毒に適している。

水分が適度にある為殺菌するのに適した構造になっている。また、無水エタノールよりは蒸発が遅く、成分がその場に留まって殺菌消毒作用を発揮する。肌に対する刺激も無水エタノールよりは低い。

エタノール消毒が効かないウイルスもある

エタノール消毒ができるウイルス

HIV、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、ヘルペスウイルス等

エタノール消毒が難しいウイルス

A型肝炎ウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス等

「メタノール(メチルアルコール)」と間違えない様に注意

メタノールは工業用アルコールです。価格はエタノールより安く、主に燃料として使われます。

メタノールは殺菌消毒には使えません。人体に有害で、原液は毒物及び劇物取締法による「劇物」に指定されています。

経口、吸入、経皮で人体に吸収されます。大量に摂取すると吐き気や目眩(めまい)、意識障害を引き起こします。悪くすると失明や死亡の恐れもあります。

視神経を冒す危険物という事で「目散るアルコール」との俗称もあります。第二次世界大戦後の物不足の時代には、メタノールを混ぜた質の悪い焼酎を飲んで死亡する人も居たそうです。

2021年3月改訂(2020年3月初出)
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