図1-2 界面活性剤の生分解性
『身近な環境問題「環境と人にやさしい洗剤」を求めて』
環境技術研究協会より
引用文献5:三浦千明,山中樹好,三階貴男,吉村孝一,林 信太(1979) 界面活性剤の生分解試験への酸素消費測定法の適用,油化学, 28, 351-355
1-2では、1-1に比べ、3倍の濃度での実験結果です。指標としてTOCとMBASに加え、酸素消費率(BOD(酸素消費量)/ThOD(理論的酸素要求量))の変化も示されています。
以上から分かること
- 分解しやすいものでも濃度が高くなると究極分解に時間がかかる
- LASでは一次分解でも10日かかる
- BOD/TODでみた分解率は、石けんと直鎖アルキル型のAOSやASでは10日で80%に比べ、オキシエチレン鎖をもつAES、AEでは約60%、ベンゼン環をもつLASでは30~40%と低い
- TOCと酸素消費率の経時変化はよく似ており、5日目の酸素消費率であるBOD5/ThODが50%を越すAOS、ASおよび石けんは究極分解性がよい