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毎日の洗濯には「炭酸塩入り粉石鹸」が最適
石鹸はアルカリ性の状態でのみ洗浄力を発揮します。洗濯物の汚れにより石鹸液が酸性に傾くと、汚れ落ちが悪くなります。
一方、汗や食べ物の汁など、汚れの多くは酸性を示します。
そのため、多くの洗濯用粉石鹸には炭酸塩(炭酸ソーダ)などのアルカリ助剤が配合されています。アルカリ助剤が石鹸液を適正なアルカリ性に保ち、石鹸の洗浄力を補佐します。
炭酸塩が入っていない石鹸しか無い時は
アルカリ助剤の入っていない無添剤石鹸しか手元に無いときは炭酸ソーダ(炭酸塩)と組み合わせて使います。粉石鹸の総使用量の30~40%を炭酸ソーダに置き換えましょう。
炭酸ソーダが無い時は、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で代用できます。
泡立つ濃度で使う
石鹸が洗浄力を発揮するためには、一定の濃度が必要です。これを「臨界ミセル濃度」と言います。
臨界ミセル濃度以下に薄まると、石鹸は簡単に界面活性=洗浄力を失います。
その「洗浄力」の目安になるのが、泡立ちです。強くかき混ぜた時に、充分に泡立つだけの量の石鹸を使ってください。
合成洗剤や複合石鹸の場合
合成洗剤は、界面活性剤の種類によっては泡立ちが悪いものがあります。従って、泡立ちは洗浄力の目安になりません。
複合石鹸は、石鹸分が主体なので石鹸と同じく泡立ちを目安にしてください。
適度な温湯を用いる
基本的には20℃以上で
石鹸は、基本的には20℃以上の水(日向水程度)で使って下さい。夏場の水道水なら20℃あることが多いです。
余りに冷たい水で使うとよく溶けません。溶けないと洗浄力も発揮できません。
その石鹸に適した水温で洗う
石鹸は、原料油脂の性質によって洗浄力を最もよく発揮する温度が違います。
【参照】「主な油脂の脂肪酸組成」
牛脂・豚脂(ラード)・パーム油主体の石鹸
パルミチン酸やステアリン酸が比較的多いため、40℃以上のお湯で使うと素晴らしい洗浄力を発揮します。
頑固汚れの洗濯にはピッタリです。また、クリーニング専門店でも使用されることがあります。
しかし、低い温度で使うと洗浄力を発揮できないばかりか溶け残り等による不具合が起きることもあります。
米ぬか油・廃油主体の石鹸
オレイン酸など比較的低温でもよく溶ける成分が多く、20℃度程度の日向水でも使えます。
普段着洗いには充分な洗浄力があります。牛脂やパーム油主体の石鹸を高温で使った場合に比べると洗浄力は劣ります。
夏場は水道水でもよく溶けるので、一般の世帯で使い易い石鹸です。
よく溶かし、よく濯ぐ
石鹸に限らず、洗剤は水に十分溶けないと洗浄力を発揮できません。
また、折角石鹸が繊維から汚れを引きはがしても、すすぎが不十分だとその汚れがまた衣類に戻ってしまいます。石鹸カスも付着します。
結果、黄ばみ、黒ずみ、臭い等の問題が発生します。
十分な量の石鹸をよく溶かし込んで洗浄力を高め、仕上げにしっかり濯ぐことでよい洗い上がりになります。